社会保険労務士と衛生管理者 第二種は、どちらを目指すか迷われることの多い組み合わせです。このページでは両資格を、合格率・勉強時間・難易度・受験料といったデータで並べて比較し、学習時間の目安からどちらが向いているかを整理します。
| 項目 | 社会保険労務士 | 衛生管理者 第二種 |
|---|---|---|
| 主催 | 厚生労働省(実施:全国社会保険労務士会連合会試験センター) | 厚生労働省(試験実施:公益財団法人安全衛生技術試験協会) |
| 合格率 | 5.50% | 50.00% |
| 難易度 | 5/5 | 2/5 |
| 受験料 | 15,000円 | 8,800円 |
| 勉強時間の目安 | 1,000時間 | 70時間 |
| 試験形式 | 選択式試験(空欄補充)・択一式試験(5肢択一)/筆記試験 | 筆記試験(マークシート、5肢択一)。3科目(関係法令・労働衛生・労働生理)、試験時間3時間(13:30〜16:30、科目免除者は2時間15分)。第一種と異なり有害業務に係る範囲は出題されない。 |
社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険関係法令の専門家として、労務管理や社会保険手続きの代行・コンサルティングを行うことができる国家資格である。就業規則の作成・変更、労働保険・社会保険の各種手続き、労務トラブルの相談対応など、企業経営の土台となる「人」に関わる法律実務を幅広く担う専門職である。人事評価・賃金制度の設計といった、より踏み込んだ人事コンサルティング業務を行う社労士も増えており、企業の人事・労務部門にとって不可欠な知識を有することを証明する資格として位置づけられている。社労士には、行政官庁への提出書類の作成・提出代行(1号業務)、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成(2号業務)、労務管理・社会保険に関する相談・指導(3号業務)という3つの業務区分があり、このうち1号・2号業務は社労士の独占業務とされている。
試験は1日で実施されるが、労働基準法・労働安全衛生法・労働者災害補償保険法・雇用保険法・労務管理その他の労働に関する一般常識・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法・社会保険に関する一般常識の8科目について、5肢択一式の「択一式試験」(70問)と、空欄補充形式の「選択式試験」(8科目各1問)の2パートから構成される。単に総得点で合否が決まるのではなく、科目ごとに設けられた合格基準点をすべて満たす必要がある「総得点+科目別基準点」の総合得点方式が採用されており、一部の科目で基準点に届かないだけで不合格となる厳しい仕組みになっており、総得点で上位に入っていても不合格になるケースがある点が、この試験特有の難しさとして知られている。
標準的な学習時間の目安は800〜1,000時間程度とされ、合格率は例年5〜7%程度で推移する難関資格であり、法律系国家資格の中でも司法試験・司法書士に次ぐ水準の難易度とされることが多い。科目数が多く、かつ法改正が頻繁に行われる分野であるため、学習範囲を網羅しつつ最新の法改正情報を追い続ける必要がある点が、他の法律系資格と比べても独特の難しさとされている。合格後も、働き方改革関連法や育児・介護休業法の改正など、実務に直結する法改正が続くため、登録後も継続的な学習が欠かせない専門職である。
受験資格には、大学卒業などの学歴要件、もしくは一定の実務経験や他の国家資格保有といった要件のいずれかを満たす必要があり、宅建士や行政書士のように誰でも受験できるわけではない点が特徴である。試験は例年8月頃に実施され、主催は厚生労働省、実施は全国社会保険労務士会連合会試験センターが担う。合格後に社労士として登録するには、2年以上の実務経験または連合会が実施する事務指定講習の修了が必要になり、登録後は各都道府県の社会保険労務士会に所属して業務を行う。
企業の人事・労務部門でキャリアを積みたい人や、独立して顧問先の労務相談・手続き代行を行いたい人に向く資格である。働き方改革やハラスメント対応、同一労働同一賃金など労務管理の重要性が高まる中、企業内での人事・労務のスペシャリストとしてのキャリアや、複数の企業と顧問契約を結ぶ独立開業の道など、多様なキャリアパスが考えられる資格であり、中小企業診断士など経営系資格と組み合わせて企業支援の幅を広げる人もいれば、行政書士とのダブルライセンスで許認可から労務まで一貫して支援する事務所を構える人もいる。
活かし方: 企業の人事・労務部門での就業規則整備や社会保険手続き、独立開業して顧問先の労務相談・手続き代行を行う際の専門性の証明になる資格である。働き方改革やハラスメント対応など労務管理の重要性が高まる中、企業内での人事・労務のスペシャリストとしてのキャリアや、複数の企業と顧問契約を結ぶ独立開業の道など、多様なキャリアパスが考えられる。
実務では、就業規則・賃金規程の作成や見直し、36協定など労使協定の届出、労働保険の年度更新や社会保険の算定基礎届といった定型的な手続き業務から、解雇・雇止めなどをめぐる労務トラブルの相談対応、助成金の申請支援まで、業務範囲は幅広い。人事評価制度や賃金制度の設計といった、より経営に近いコンサルティング業務に携わる社労士も増えている。
労働紛争の未然防止や助成金申請支援など、企業経営を下支えする専門家として幅広く活躍できるほか、社会保険労務士法人に勤務して組織的に業務を行う働き方も一般的である。中小企業診断士や行政書士とのダブルライセンスにより、人事労務から経営全般まで支援範囲を広げるキャリアも見られる。
労働安全衛生法に基づく国家資格(免許)で、常時50人以上の労働者を使用する事業場に選任が義務づけられている衛生管理者のうち、有害業務を除く業種に対応する資格である。情報通信業や金融業、サービス業など、有害業務を伴わないオフィス中心の職場が主な対象となる。試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施し、第一種と同じく関係法令・労働衛生・労働生理の3科目で構成されるが、有害業務に係る範囲は出題されない。受験にあたっては第一種と同様に学歴に応じた労働衛生の実務経験が必要で、大学・短大卒業後1年以上、高校卒業後3年以上などの要件を満たし、証明書類を添えて申請する必要がある。
活かし方: オフィスワーク中心の企業でも常時50人以上の事業場には衛生管理者の選任義務があるため、人事・総務担当者を中心に取得が進められている。長時間労働対策やメンタルヘルス対策、職場環境の点検といった、有害業務を伴わない職場での衛生管理業務に直結する知識が身につく。有害業務を含む職場にも対応したい場合は第一種へのステップアップが可能で、キャリアの幅を広げる選択肢にもなる。
学習時間の目安は「衛生管理者 第二種」が約70時間、「社会保険労務士」が約1000時間で、およそ14.3倍の差があります。まず短期間で取得して足がかりにするなら「衛生管理者 第二種」、腰を据えて上位の専門性を狙うなら「社会保険労務士」が向いています。合格率で見ると「衛生管理者 第二種」の方が数値上は高く、初学者はこちらから入る選択肢もあります(ただし受験層が異なるため単純比較はできません)。どちらも実務で評価される資格です。目的(独立/就職/スキル証明)と使える学習時間から選んでください。
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